東京園芸資材販売 株式会社
 
◎品種別育て方
洋ラン(植え替え)
講師:花ごころ研究室 河合秀治








生産者は購入した苗を早く大きく育てて鉢物に仕立て出荷する必要性があります。
そのためにシンビジウムなどを育てる場合は醗酵バーク等を主に利用します。
醗酵バークを利用すると水やりや施肥の手間が省け、鉢物の生産性が高まるからです。
しかし、一般のご家庭では事情が異なります。
花は見たいがあまり大きくしたくない、戸外に置くので排水性の高い土が好まれる等、
生産者と目的や管理方法が違っています。
そのために家庭で育てやすい土に変えてあげる必要があるのです。



準備するもの

・ 軽石をベースにした洋ラン用培養土
・ 購入した鉢物より一回り大きい鉢
・ せん定鋏(消毒済のもの)
・ 30センチ程度の長さで小指程度の太さの棒(菜ばしでも可)
・ 鉢が入る大き目の受皿(土の受け皿用)

1)鉢から植物を取り出す。葉を持って鉢の縁を木槌等で軽く叩くと抜きやすくなります。
  ※植替えの前1週間は水やりを止め、根が含む水分量を減らしておきます。

2) 棒を使って根鉢の周りの根を解き、古い土をふるい落とします。

3) 枯れた葉や傷んだ根を鋏などで取り除きます。傷んだ根は黒く、手で簡単に切れます。

4) 元の根鉢の根量の2/3程度になるように根を切り詰めます。

5)植木鉢に用土を少し入れてから植物を置き土を入れます。
  軽石ベースーの土は根の間に入りにくいので棒で根の間に押し込みます。
  バルブは土の中に埋まらないように注意します。
  また、新芽が出る方は土の表面を広くあけるようにしましょう。

6)植付後の鉢の中の土に、直接たっぷりと水を与えてください。
  また、土に水分を十分含ませるために翌日も必ず水やりをします。

7)植付後、戸外の明るい日陰に置きましょう。
  直射日光を当てると葉焼けを起こします。

8)肥料は植え付け2週間後から固形油かすを与え、2週間に1度は液体肥料を水やり代わりに与えましょう。




シンビジウムを含めた洋ランの主な植え込み材料には水ごけ、醗酵バーク、軽石があります。
水ごけは保水性・保肥力に優れるので育ちが早くなりますが、
家庭用としては水やり・施肥に特別な注意を必要とするのであまり向いていません。
醗酵バークは水ごけより扱いやすいのですが、
戸外を含め家庭で管理するにはまだ排水性が充分ではなく根腐しやすい材料です。
しかし、軽石は水はけが良く、過湿による根腐も防げ、
肥料のやり過ぎによる過繁茂(葉ばかり茂って花芽が着きにくくなる状態)も防げます。
ただし、保肥力・保水性に劣るので、醗酵バークを適量混合して調整した土が最も適しています。




購入したばかりの鉢物6〜7号鉢なら株分けの必要はないと思います。
それ以上の大きさや、購入して数年を経て育ったシンビジウムは株分けをしてあげた方が、扱いが楽になります。
株分けをするときに一番気になるのはバルブ(球根様のもの)をいくつ付けて切り離すのか?
また、古くなったバルブ(バックバルブ)は切取った方が良いのか?と迷うところでしょう。
バルブは大型品種で3つ程度、中型品種で5つ程度を一株として切り離してください。
バックバルブは色が黄色くなっていたり、しわがよって萎んだものは必ず取り除きましょう。
ただし、すべて取り除くのではなく、緑色のしっかりとしたバックバルブを大型品種で1つ、
中型品種でも2つ程度残しておいたほうが後の生長によいでしょう。




洋ランの培養土

排水性に優れた軽石ベースに、ゼオライトを配合して根腐の原因になる水の腐敗を防止します。
醗酵バークが配合されているのでシンビジウムにとって適度な保水性、保肥力があります。
またココナッツハスクに含まれる有機由来のカリが根の発育を助けます。



−使い方−

・ 開花株の植え替えに利用します。
・ 各自の管理方法、特に水やりの多少に応じ醗酵バーク(乾きやすい時)や
 軽石(過湿になりやすい時)を1〜2割程度混ぜると管理しやすくなります。


洋ランバーク

醗酵バークにココナッツハスクを配合した有機質100%培養土です。



−使い方-

・ シンビジウムの苗などを早く育てたいときに利用します。
・ カトレヤや胡蝶蘭の開花株の植替えに適しています。




洋ランの置肥

醗酵固形油かすです。ゆっくりと穏やかに効き目が現れますので洋ランの生育に適しています。
骨粉が多く含まれているので花つきを良くする効果があり、カリを強化により洋ランの根の発育を促進します。



−使い方−

・ 通常は鉢の上に置きます。
・ 鉢から転げて落ちやすい場合は固形に水を与えて柔らかくなってから押しつぶしてください。
・ 1ヶ月で肥料成分はなくなります。形が残っていても新しいものと交換してください。


元肥そだち


緩効性の無臭で清潔な化成肥料です。
肥料による障害が少ないので土に混ぜて使用でき、シンビジウムの肥料切れを防ぎきます。
肥料の成分は植物の根から出る根酸によって肥料として根に吸収されるので
植物の生長に合った肥料効果が期待できます。また、リン酸分を多く含むので花付きが良くなります。



−使い方−

・最も効果的な利用方法は元肥です。
・植え付ける時に土に混ぜて利用します。
 用土に対して4g/L与えます。
 例えば5Lの土に対しては4g×5Lで20g(女性の手で肥料を軽く握った約半分の量)を土に良く混ぜます。


有機100倍液肥

液体の有機質肥料なので冬場の低日照時には最適の肥料で、
海藻成分が根の発達を助け、葉の色を青くします。また、木酢液を配合しました。



-使い方-
・100倍に薄めて使用します。10Lの水道水にキャップ1杯の液肥を加えて棒等で良くかき混ぜます。
・鉢に与えるときは出来るだけ鉢土を乾燥させて、鉢の底から水が流れるぐらいたっぷりと与えます。
 洋ランなら200倍に薄めていつも水やり代わりに与えるのも良いでしょう。





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